ってのも大変であります。
今月は研究開発仕事の資料作成、デザイン仕事の大量の見積もり、
そしてWeb Desinging連載やらその他雑誌のインタビューやらと、
珍しく書き仕事が多い、、。
で、一番難しいのが連載ですな。
敷居を下げて書くと言う作業が慣れていないので、
とにかくツラツラと書いてしまって「全然分からないです」
という無念な感じになっております。。
例えば、個人的には鬼門になっていた無線部分。
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・データの通信
センサーを用いたパフォーマンスで、重要になってくるのはレイテンシです。
手を動かしてから音が出るまでに3秒もかかってしまっては、動きと音の関連性が見えて来ません。また、ワイヤレスで送信出来て、なおかつ激しい動きをしてもノイズが少ない必要があります。以下に制作で使用した無線の方式を紹介します。
AM
既製品の送受信機を用いてラジオの電波に乗せてデータを送信します。レイテンシが非常に低く、最も安価ではありますが、ノイズが乗り易く、また国によってはラジオの電波と干渉するため危険です。
Bluetooth + RS232C
ノイズが低いですが、レイテンシが最も大きく、また送信機がダンサーの陰に隠れてしまうと通信が途切れてしまい、再接続する必要があります。また、現場の無線LANと干渉する恐れがあるため、こちらも各地で公演を行う作品には向いておりません。
UHF
ワイヤレスマイクで標準的に用いられている800MHZ帯域を用いた通信です。劇場のワイヤレスマイクと干渉する恐れがありますが、チャンネルを指定する事で回避出来ます。高価ですが、安定性とレーテンシーの低さを考えて、trueではこれを採用しました。
と、書いてみたが読み物としては全然面白く無い。
そして、専門的に知りたい人には中途半端。
ワイヤレス化で悩んでいる人はあまりいないだろうし、
そもそもその壁で苦しんでいる人は上記の事は周知の事実でしょう、、。
そして、さらに没になった原稿。
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・データ取得後のプログラミング
筋電センサーの値はMax/MSP上で取得しています。このデータを用いて、音、映像、照明のアウトプットを構築していく訳ですが、大きく分けて3つの方法があります。
・マッピング、スケーリング
筋電のデータをメディアのコンディションに応じて最適化し、マッピング、スケーリングを行います。ダンサーに付けてもらって感触を確かめてもらいながら、スケーリングの際のカーブを作って行きます。中には映像はリニアで、音は対数関数カーブ、振動は三次関数カーブを使っているシーンもあります。
・トリガー
ある閾値を超えた際にイベントを発動します。例えば、パンチした瞬間に音を鳴らす場合はこの方法になります。筋電の場合は装着する位置によって値が異なるだけではなく、装着している時間によっても値が変わって来ます。よって、ある程度、閾値を自動的に設定する様なアルゴリズムを組み込んでいます。細かい制御を行っているシーンでは、右手が2秒以内に3回連続して閾値を超えた際にはその後の右手からの入力は無視をして左手から入力だけを受け付ける、というようなゲームのコマンド入力解析に近いアルゴリズムを用いています。
・ジェスチャ解析
筋電センサーからの値を解析して、あるパターンにマッチした場合にイベントを発動します。Trueでは最終的には使用していませんが、振り付けと音をルールに基づいて構築して行く場合には採用すると可能性が広がるかと思います。
上記の様な解析を用いた演出以外にも、ダンサーの動きに合わせて手動で音を鳴らすシーンもあります。
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数式を減らすと本の売れ行きが減る、
「本の中に数式をひとつ入れるたびに、売れ行きは半減すると教えてくれた人がいる。そこで、数式はいっさい入れないことに決心した。しかし、とうとう一つだけ入れることになってしまった。この式が私の本の潜在的な読者をおびえさせ、半分に減らないことを願っている」
ってな事をホーキングが昔書いていたので、数式は一切いれてないのだが
対数とか三次関数と書いてピンと来る人は理系の人間だけらしい。。
そして、同じく中途半端という感じですな。
中途半端なハウツーモノを書くのではなく、面白い文章で
読み物としての強度を上げないといかんという事で、
そうなると文才の無い僕には非常に大変な作業になるわけですな。
いやはや。
もちろん振動も却下ですな。
振動、及び高周波で有名なS氏の助言によると
「振動とかばっかり書いていたらそういう人になるよ」
と。。 あなたが言うとものすごく説得力があります、、、。
ボツ原稿
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振動子、超低周波
IAMAS時代に購入した振動子、Buttkickerを使っています。元々スピーカー以外のモノを用いて音を鳴らすために購入したもので、木造家屋揺らしてスピーカーにする、人体を激しく揺らす、等に用いておりました。振動子で発生する超低周波は直接的な人体への影響が魅力的です。主に環境問題の分野で研究されており、ネガティブな現象が多いです。例えば、20hz 100dbで心拍数は1分で現象、一時間で増加、20hz 120dbでまばたきの増加、30分で呼吸困難、10hz 105db 20分で眼振等等。しかし、その限界点には美しさが潜んでいます。
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最後歯切れ悪いしねぇ。
いやはや。